TCF必須試験・補足試験
TCF必須試験・補足試験
2020年2月に東京で行われたフランス語能力テストTCF(Test de Connaissance du Français)を受験してきました。補足試験を受けたのは初めてだったので、その対策と内容、結果の記録です。
TCFとは
TCFはフランス語の能力を図るためのテストです。日本では仏検のほうが一般的ですが、海外でフランス語能力を示すものとしてはTCFとDELF/DALFが使われています。どちらもフランス政府が認めている試験です。
TCF:点数でレベルを表す。合否はない。有効期間:2年間
DELF/DALF:レベル別試験。合否判定。有効期間:無期限
TCFは、日本では東京等にあるInstitut Françaisというフランス政府運営のフランス文化センターで受験することができます。
以下Institut FrançaisのHPからの説明の抜粋です。
TCF(Test de Connaissance du Français)は、フランス国民教育省が認定した総合的なフランス語学力レベルを測るテストです。点数に応じて受験者のレベルを、言語に関する欧州共通基準(CECRL)の6段階で判断します。 TCF は、自分のフランス語能力を、英語のTOEICのように簡単で早く確実に計ることを望む、フランス語を母国語としない16歳以上の方全てを対象としています。また、DELF・DALF 受験に際し、どのレベルを受験するべきかの判断基準にもなります。受験者にはテストの成績を記載した証書(有効期間2年)が発行されます。
https://www.institutfrancais.jp/
さらに、TCFには必須試験と補足試験の2種類があります。
- 必須試験(Obligatoires):聴解Compréhension orale/語彙・文法Maîtrise des structures de la langue/読解Compréhension écrite
- 補足試験(Complémentaires):口頭表現Expression orale/文書作成Expression écrite
必須試験は年5回の実施ですが、補足試験は年1回のため、早めに定員が埋まるようです。申込期限ぎりぎりだとすでに締め切っていることが多いようなので、早めに申し込む必要があります。私は、2月に実施される補足試験に、前年12月の前半に申し込みました。
なお、補足試験は、単独で申し込みすることも、同時に行われる必須試験を後から追加で申し込むことも(申込期限内かつ定員が埋まっていなければ)可能です。
申し込み
受験会場であるInstitut Françaisの受付で直接申し込む必要があります。申し込みは試験実施日の1か月前まで、定員制・先着順です。オンライン化の予定について2020年頭にInstitut Françaisに聞いてみたのですが、当分はされない見込みとのことでした。ここで受験料(現金またはクレジットカード)も払います。必須試験、補足試験それぞれ12,000円なので、両方とも受験する場合には24,000円になります。
試験対策
まず何はともあれ公式サイト。例題も載っています。
https://www.ciep.fr/tcf-tout-public
TV5Mondeのサイトでも過去問、練習問題があります。
https://apprendre.tv5monde.com/ja/tcf
このほか、試験対策のために使用したツールは以下の4つです。
- Le Monde(スマホアプリ)
過去に受験したTCFで読解の時間が足りなくなってしまったので、読むことになれること、語彙を増やすことを目的に、Le Mondeのアプリで毎日1記事読む、できれば書き写して知らない単語や言い回しを書き込むようにしていました。
- 「現代仏作文のテクニック」
日本の中学生の社会の教科書等からの例文をフランス語に翻訳することを通して作文技術を身につける本です。この本は外務省のフレンチスクールを対象にした講義をもとにまとめられたものなので、「戦後の日本社会」「環境問題」等、題材は堅いですが、フランス語的な言い回しやニュアンス付け、単語のつながりを習得するのに役立ったと思います。
一題ずつが重すぎて、きちんと翻訳の練習をしたのは全体の1/3位です。でも出版から時間がたっていますが取り組む価値のあある本だと思います。
- Youtubeの試験対策シリーズ「Enseignement du FLE」
このシリーズに出てくるお題でExpression écriteの練習をしました。
なお、Expression écriteに向けては
・「伝統文化・行事」「日本の名所」「バカンスの予定」「最近した旅行」(120単語-)
・「環境問題・自然保護」「男女平等」「インターネット」(記事の要約(40単-)・意見(80単語-))
あたりのお題でなるべく汎用性が高い文章を書いて覚えておくと、本番でも使える可能性が高いと思います。
- オンラインフランス語レッスン
スカイプを使用したフランス語レッスンで、上記で書いたフランス語を添削してもらいました。私が申し込んだのは上記の「アンサンブル アン フランセ」です。レッスンの前にあらかじめ、試験対策のために添削をお願いしたい、と伝えておき、レッスン中にスカイプで作文を送って添削してもらう、という流れでした。
また、新しい先生との初めてのレッスンでは自己紹介をするので、Expression écriteの練習にもなりました。Expression écriteは対策が難しいですが、自己紹介(名前、職業とその説明、趣味等)は必ず聞かれるので、諳んじるレベルで言えるようにしておくとよいと思います。
試験内容
筆記用具は黒ボールペンのみとされていますが、フリクションペンも可、修正用具も持込可です。愚直にボールペンのみで文書作成に取り組むと泣を見ます。わたしのように…
さて、実施に受けた補足試験(Complémentaires)の内容です。
- 自国の伝統紹介スピーチを行うための文(60-120単語)
- 新しい仕事を始めたので、友人に報告するメール(120-150単語)
- 男女の職業選択についての2つの記事を読み、要約(40-60単語)と自分の考えを述べる(80単語以上)
口頭表現Expression orale
- 自己紹介
- 犬を預かってほしいという友人(試験官)に対して、詳細を求める質問をする。
- 「公共交通機関を無料にすべきか」について自分の意見を3分程度で述べ、その後議論をする
試験結果
試験結果は約1か月後に入手可能になり、Institut FrançaisのHP上にお知らせが出るので、Institut Françaisまで取りに行きます。HP上にはconvocation と身分証明書が必要と書いてあります。convocationを忘れてしまったのですが身分証明書だけでも受け取れました。
今回は全体で482点、B2でした。年内に必須試験だけでもC1を取りたいので、夏が始まるころからまた勉強するかもしれません。