【フランス大学院留学】パリ政治学院の推薦状
2021年度入学のパリ政治学院 公共政策修士1年コース(MPA:Master in Public Affairs)出願にあたって、推薦状を誰にお願いしたか、どのようなスケジュール感で進めたか、実際にどのようなフォーマットの推薦状が求められたのかの記録です。
1.推薦者選び
パリ政治学院MPAで必要な推薦状はProfessional2通。職場の(元)上司2名にお願いした。周りに聞くと、肩書重視でなるべく役職が高い人にお願いした、というケースもあったが(もちろん実際に上の役職の人と密に仕事をしていた場合もあるのだろうけど、私は関わりがなかったので)、課長クラスの近い関係の方にお願いした。誰にお願いするか決めるにあたって考慮したのは以下3点。
(1)Personal Statementで触れている
Personal Statementで大きなトピックとして取り上げている業務に携わっていた際の上司であること。Personal Statementと推薦状は、それぞれ異なる側面から出願者を表現する対となる書類。Personal Statementでアピールした長所や能力について、推薦状が裏付けとなり、あるいは違う角度から補強してくれたりする。なのでPersonal Statementで大きく取り上げた業務のときの上司というのは必須条件。
(2)推薦状をご自身で書いてくれる
Personal Statement、推薦状、そして履歴書などすべてを自分で書いてしまうと、どうしても視野が狭くなってしまうし、表現も偏ってくるため、少なくとも2通のうち1通は一からご自身で書いてくれる方にお願いするようにした。
結果はやはり、上司ならではの視点でエピソードを選び、その人ならではの表現の推薦状を作っていただけたので、これも上記1に負けず劣らず重要。むしろPersonal Statementを書く時から、この人に推薦状をお願いしたい!というのを前提にエピソードの取捨選択をしていた。
(3)アカウント作成などの作業をお願いできる
昔は推薦状といえば紙での提出で、なんとなれば出願者が作成した推薦状にサインだけしてもらう、ということもあったと思う(もちろん望ましくないことだけど)。
今は、出願者が推薦者の情報(名前、所属、メールアドレス等)を大学の入試用プラットフォームに登録すると、大学側が推薦者に直接依頼メールを送り、推薦者が自身でアカウントを作成して推薦状をオンラインで登録・・という流れが一般的になっている。こういった一連の作業をしてもらえる人、というのは大事なポイント。役職が高すぎる人にお願いすると、こういった作業をいちいちしていただくことが難しくなる。
2.執筆依頼、確認
10月末、出願先決定後、推薦状を依頼したい旨の頭出し。
11月半ば~12月 出願先大学院の概要(wikipediaの該当ページ)、Personal Statement(未確定版)を添えて、何日までに提出いただきたいかなどのスケジュール感とともに依頼。必要に応じて推薦状の下書きも添える。下で詳しく述べるように、パリ政治学院の推薦状の記入欄は複数に分かれているので注意。
12月 推薦者から、推薦状案の確認と、英語のネイティブチェックにかけてほしいとの連絡を受ける。私が確認したのは主に固有名詞(出願先の学校名や専攻等)。また、しばらく海外の大学事情から遠ざかっている方だと、少し昔の書き方(出願者を"Mr./Ms. 名前→姓"で言及したり。今は日本人なら"姓→名"が一般的かと。)があったりしたので、そのあたりの確認もした。
3.推薦状提出
パリ政治学院MPAは、12月20日の一次締め切りまでに出願を完了すると2月25日までに合否を通知してくれるというスケジュール。なので、12月20日までの提出をお願いしていて、12月半ばまでには2名の推薦者どちらからも提出いただいた。
実際にどのような形で推薦者への依頼が届くのか、推薦者が教えてくれたので記録。推薦状本文には文字制限がない。
0 出願者がオンライン出願フォームに推薦者の情報(氏名、所属、役職、電話番号、メールアドレス等)を登録。
1 大学から、登録した推薦者のアドレス宛に、推薦依頼があること、推薦してもいいならアカウントを作成するよう依頼するメールが届く。
2 推薦者がアカウントを作成。
3 作成したアカウントから、以下の質問にそれぞれ答えていく形で推薦状を登録。一時保存は可能だけど、一度Sendボタンをクリックすると修正できないので注意。
- In what context do you know the candidate? Do not exceed 2000 characters.
- How long has the candidate worked for you? Do not exceed 2000 characters.
- What were the tasks assigned to him/her? In what department? Do not exceed 2000 characters.
- How would you rate the applicant in comparison to your other interns/employees?※以下の選択肢から選ぶ。
Excellent / Very good / Good / Weak / Do not know / Not relevant
- Please write your recommendation letter below (you can copy and paste from a Word document). You may want to tell us about the applicant’s personality, character and potential.
⑤推薦者、出願者双方に推薦状提出完了メールが届く。
推薦状依頼から提出までの流れは以上。推薦状の書き方については、すでに本でもオンラインでも星の数ほど溢れているけど、以下、推薦状の例。
あくまで例ですが、推薦状の下書きを自分で用意するように言われた人の助けになれば。
(導入)
I am very pleased to write a recommendation letter for MUKAGO Mukako, a promising government official who was selected as a scholarship student of the Japanese government, in support of her application for the Master in Public Affairs of Sciences Po.
(能力)
Mukako has demonstrated great talent in learning and understanding new things at ***. This is her first time being assigned to ***, yet she rapidly gained a deep understanding and ...
(人格)
In addition to her learning abilities, I would like to mention her capacity to adapt to new situations and her tremendous communication skills ...
(〆)
In closing, I'd like to restate my strong support for MUKAGO Mukako’s application to the Master in Public Affairs. I am beyond confident that she will make a massive contribution to Sciences Po with her knowledge, diligence and communicative skills.