渡仏42週目 引越し、北へ
5月30日〜6月4日
5月31日、丸9か月住んだエクス・アン・プロヴァンスのアパルトマンを引き払う。ロフト付きワンルームのこぢんまりした、でも快適な住まい。水回りから窓、鏡、床まで全てピカピカに磨き上げて退去。
フランスでは、アパート退去時に清掃業者などは入れず、退去費用はかからない。その代わり備品の状態など細かく確認されて大変と聞いて覚悟してたのに
「鍋焦がしちゃった?よくあること!」
「グラス3脚割っちゃった?普通よー。」
「コーヒーマシンの端が欠けた?使用に問題ないから大丈夫。そもそも壊れやすい部分だしね。」
「というかje te fait confiance 信用してるから契約書と付き合わせてのチェックとか不要!」
で、思いつく限り自己申告したけど一瞬で終了。
トランクひとつでパリへ。友人宅に荷物の大半を置かせてもらい、一泊ののちノルマンディーに向かう。
フランスの北では、南よりも日の入りが1時間遅くて、気温は10℃も低い。
印象派の画家が描き、アルセーヌ・ルパンの奇巌城のモデルになった海岸と崖を眺めて過ごす。
パン屋さんで買ったキッシュを海岸で食べようと取り出したら、カモメに奪われて呆然。
近くに見えた灯台に向かって歩き出したら意外に遠く、しかも崖を降っては登りの繰り返し。
景色の素晴らしさを励みに、サンダルとワンピースでは装備不足だったと後悔しながらも、薮をかき分け往復4時間半をなんとか歩き通した。