むかご日記

@霞ヶ関。2021年-2023年フランス留学(エクス・アン・プロヴァンス政治学院→パリ政治学院)

渡仏75週目 春学期のはじまり

1月23〜29日 パリ政治学院、春学期の授業開始。面白そうな授業、大変そうな授業などいろいろ。

f:id:mukago3:20230129005736j:image選択科目の一つで「国家とライシテ、フランスにおける宗教」を取った。先生は内務省宗教局などでの経験がある官僚。

ライシテ(政教分離)は難しい。フランス革命から現代までの歴史的経緯は昨年勉強したけど、今日のフランス社会でのライシテの持つ意味は?ライックな国家とは?フランス人はライシテをどのように捉えている?

授業では、企業や公共サービス、軍隊、海外領土でのライシテ、カトリックプロテスタントユダヤ教イスラム教、聖教会、仏教などを題材にしながらライシテの今後を展望する予定。一人一回プレゼンがあるので、パリ政治学院の生徒からどんな意見が展開されるのかも含めて楽しみ。自分のプレゼンは大変々々心配だけど、、、

日本の政教分離についても説明できるようにしておいた方がよさそうだが、できるのか?よさそうな本が見つからない。

第一回は、概要や評価方法の説明のあとは、久々のフランス流講義。ライシテの歴史について、パワポなどなく先生がひたすら話し、生徒はキーボードを叩く。概要は既知だったのでなんとかついていけた。昨年のエクス・アン・プロヴァンスでの授業が早くも生きたぞ・・・!

でも宗教関係の知らない単語がポツポツ出てくる。séculariser:(財産・人・教育を)非宗教化する、soutane:カトリック聖職者の服、évangélique:福音主義などなど

福音史家がévangélisteなのは知っていたけど、福音主義という宗派があることを知らなかった。

f:id:mukago3:20230129005806j:image経済系の授業としては「プラットフォームのミクロ経済」を選択。ミクロ経済既習が前提なので次回までに一冊読んでおかなくては。推薦図書はGoogleチーフエコノミストのハル・ヴァリアンの教科書。と知ったかぶりしてみたが、初めて聞いた。この授業でもプレゼンが一度ある。プラットフォーム企業を一つ(実在でも仮想でも)取り上げて、経営戦略を発表する。

f:id:mukago3:20230129005904j:imageあとは、ポリシープロジェクトも始まった。数人のグループで、一学期間かけてパートナー企業と共同で政策提言書をつくる。グループの一人が勝手にみんなを代表して企業にメールを送って早くも喧嘩勃発。企業側からはなんの反応もなく顔合わせすらできていない。前途多難である。

と思っていたらようやく先方から「近いうちに初回ミーティングしよう、これから日程調整するね」の連絡。前途多難に変わりはない。

ちょっとショックだったのは、選択授業の一つで、先学期の選択授業でグループ組んだ子を見つけて笑顔でアイコンタクトを取って、相手からも笑顔が返ってきたのに、授業冒頭の自己紹介で名前を聞いたら別人だったこと。しかもアジア系。顔認識能力の低さを突きつけられた、、、

f:id:mukago3:20230129005837j:image週末は、日中は勉強、夜はラシーヌ「ベレニス」とボリス・ヴィアン「うたかたの日々」を観に行く。

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