渡仏79週目 元老院見学
2月20日から26日
クラスメートと衝突しながら課題をこなす日々、というと変わり映えしない。
課外授業でフランスの元老院見学。建物はリュクサンブール公園の敷地内にある宮殿。
何度も見ていたこの建物が実は元老院だったのだ。というか、初めて知ったのだけど、リュクサンブール公園は元老院の持ち物。だから例えばリュクサンブール公園の手入れは上院運営予算に含まれているらしい。
もともとは1600年代、マリー・ド・メディシスがイタリアから嫁いできたときにフィレンツェのピッティ宮殿をモチーフに建設された。
その後、第二帝政時代に大々的な改築が行われて、当時の面影はひっそりと小部屋に残っているのみ。
本会議場はバリアフリーとは程遠い作り。障がいのある元老院議員はいないのか聞いたら、いるから出席する時には介助が必要で大変と。
本会議場前広間。記者会見などはここで行われる。所々に掲げられているRFは何の頭文字だろう、Roi de la Franceか?Republique de la Franceか?と話していたら正解は後者とのこと。
それにしても、上院と下院が物理的に離れていると、国会審議が佳境に入ったときの移動が大変そうなどと思った。日本は同じ建物内にあるから、大臣や官僚が衆議院での委員会に出席してその直後に参議院の委員会に出席、とかもできるけど。
元老院職員として予算調査室などで10年ほど働いている人が案内してくれたので、調査室の権限なども説明があり、日本と比べながら聞いて興味深かった。
週末にはジャン・コクトーの「おそるべき親たち」を観にパリの北の方へ。「恐るべき子供たち」しか知らないぞ。。と思って調べたら、そういう戯曲を書いて、映画化もしているらしい。せっかくなので前日は映画を観てから舞台へ。登場人物は5人、息子溺愛の母親、その夫、母親の姉妹で夫のこと好きなオールドミス、甘ったれた息子、息子の恋人かつ夫の愛人。どろどろなコメディ。
オールドミスと甘ったれの息子は映画の方が断然存在感があってよかった。母親は劇の方が陰影が出ていた気がする。
演目のせいか劇場の特性か観客の平均年齢がかつてなく高い。ゴシップ好きの老夫人たち、というか。独特の雰囲気を醸し出して何だかそれもコクトーっぽい。