むかご日記

@霞ヶ関。2021年-2023年フランス留学(エクス・アン・プロヴァンス政治学院→パリ政治学院)

【フランス大学院留学】Personal Statementの書き方と例

この記事は、パリ政治学院MPAへの出願にあたって、どのようにPersonal Statementを作成したか、どのようなスケジュールで進めたか、最終的にどのようなものを提出したかについて。なお、最終的にパリ政治学院から入学許可をもらったものの、入学は1年延期したので、2021年-2022年はパリ政治学院には在籍していない。

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Personal Statementとは何か?

海外大学院留学でよく聞くSoP(Statement of Perpose)は、ある程度の専門性を前提に、志望する研究テーマや関連した知見、研究能力をアピールするのがセオリー。一方、Personal Statementは、色々と海外サイトでの作成例を読んだところ、専門的な研究の経験よりも個人的なストーリーを重視するものだと解釈した。

スケジュールと作成方法

1.10月半ば パリ政治学院に出願することを決めたらまずは出願アカウントを作成。必要な書類の詳細や提出様式を確認。2021年のPersonal Statementで大学側が求めていた内容は以下のとおり。

・自己紹介
・なぜこの専攻に応募したのか
・Sciences Poはどのようにそしてなぜ個人的な/仕事上の目標を達成する助けとなるのか
・どのようにSciences Poに貢献できるか

 提出画面のスクショ↓

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オンラインフォームに直接打ち込む方式。過去には項目(自己紹介/パリ政治学院で学びたいこと など)ごとに記入欄が分かれていたらしい。PDF添付なら形式を整える必要があるし、まずは実際に提出する様式を確認する。

 

2.10月後半 ネタ出し。学校や職場での経験、そこから得たこと、学んだこと、印象的だったこと、今後の課題(個人的な能力/社会的な問題について)、目標を思いつくままにひたすら書き出す。A4で2枚程度。

例:大学では○○専攻。特に××を勉強。ゼミでは… サークルでは… ○○に就職。一つ目の部署では××担当。○○についての会議で**について調整して○○報告書を作成。フランスの○○省と××について交渉。二つの目の部署では… 今の部署では… 今後は**の部署で○○を担当したい。国際機関で**の分野の途上国支援をしたい。 などなど。

 

3.軸になるものを見つけ、その軸に沿って2で書き出した項目を取捨選択し、大学側からの要求に答える形でストーリーにする。私は、以下の流れでストーリーを作った。

 ○イントロ:長期的な目標

 ○長期的な目標を抱くにいたった個人的なエピソード、大学での勉強内容

 ○これまでの職務と将来の目標、そのために必要なこと

 ○パリ政治学院では何を学びたいのか、将来の目標達成にどのように資するのか

 ○結論

なぜパリ政治学院か、何を学びたいのかについては、イメージしやすくするため、専攻課程のシラバスや、パリ政治学院の講義検索サイトで関連する単語で検索した結果を参考に、具体的な講義名を挙げるようにした。

 

4.10月末 文章にして英訳。

日本語で文章にして、DeepLで翻訳、自分の目でチェック+修正、Langsmithで文章推敲、grammarlyで文法チェックを経て英語版第一弾の完成。

日本語で文章にするのと同時に、誰に推薦状を頼んでどのエピソードを補強してもらうかも考えた。

 

5.10月末~11月半ば 推敲に推敲を重ねる。

数日置いて自分で読み返してみたり、留学経験者やメイントピックに詳しい人からアドバイスをもらいながら推敲。また、ネイティブチェックをお願いした人が、たまたま英国の大学のAdmission Officeでの審査経験もあるという方で、構成についても指摘をもらった。特に、

・自分のバックグラウンド

・出願先の魅力

・将来像

を1対1対1の分量で書くのがセオリーであるところ、 「これまでの職務と将来の目標、そのために必要なこと」というまとめ方をしているため、「将来像」が見えにくいとの指摘があった。指摘を受けて、要素はあまり変えずに構成を見直した。

冗長な記述を削ったり書き込みが足りない部分について追記をし、再度指摘をもらう、というのを3サイクルほど繰り返して完成。

 

Personal Statementの例

私が提出したPersonal Statementです。

ただし、合否は出願書類全体を総合的に検討して判断されるものなので、こういったものを書けば合格するということではありません。固有名詞などは適宜省略しています。

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渡仏3週目の覚書

渡仏3週目は、引越とエクス・アン・プロヴァンス政治学院のオリエンテーションや留学生歓迎会等。

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土日は引越。家具の配置を変えてみたり市場やスーパーで食材を買ったりして少しずつ家に馴染んでくる。

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月曜は、アジア食材店の偵察をしたり薬局でスキンケア用品を見たり。

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これは値段に驚いて撮ったカレールー。ルーを使ったカレーは作らないのでいいんだけど、つい。

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火曜は、夜に国際学生団体主催の留学生歓迎ピクニック&懇親会。まだワクチン2回目摂取も終わっていないので不安もありつつ、ファラフェルのピタサンドを買ってピクニックにのみ顔を出してみる。今年の留学生は100人ほどとのことで、ピクニック参加者はそのうち30人程度。英語が共通語で、ここしばらくフランス語漬けだった身としてはスムーズに会話ができず辛い。日本人はいない模様。誰もマスクをしていないのでその気楽さを羨ましく思いつつ帰宅。

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水曜から3日間は、オリエンテーション。といっても事前に連絡されていたのは初日の集合場所と時間のみ!集合時間が9時だったので8時50分くらいに到着したらまだ誰もいない。9時になってようやくぼちぼち人が集まり始めて、そのまま1時間は懇親会という名のおしゃべりタイム。日本人留学生が一人いることを発見。

10時になりようやく学校事務局から集合がかかった。留学生向けコース案内やセクハラ対処方法の説明など。学校とパートナーになっている銀行の案内もあったので急いでメモ。その後フランス語の簡単なテスト。リスニングと読解、どちらも選択肢形式でA2からB2くらいのレベル感。このテストは、留学生向けフランス語授業のクラス分けに使うらしい。校長挨拶でオリエンテーション初日は終了。いろいろな学生団体が案内ブースを作っているので見ていってね!とのことで、話を聞きにいくもよし、適当に解散するもよし。団体活動にはあまり興味がないので、ざっと見て帰宅し、メモしたパートナー銀行を早速訪問、口座作成。審査ののち1、2日で口座開設されるとのこと。

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オリエンテーション2日目と3日目は、それぞれ午前中に2時間のみ。約100名の留学生が3クラスに分けられ、フランス語で自己紹介してみよう!というもの。ちなみに3日目のオリエンテーションは先生の体調不良で急遽中止に。そんなゆるさ。

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家が殺風景なので寂しくなり花市場でサボテンを買う。

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水曜のフランス語クラス分けテストの結果は金曜午後に連絡がくるはずだったのに、土曜の朝になっても音沙汰なし。留学生担当にメールしてみると登録が漏れていた模様。「週末なのでテスト結果にアクセスできないけど、メールのやりとりをみる限り上級で大丈夫だね!」とのことで上級クラスに振り分けが決まった。そんなでいいのね。。

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フランスに着いたときは10時近くまで明るかったのが、9時にはもう暗くなっている。市場にイチジクが並び始めたのを見つけて、オリーブオイルと塩胡椒で食べる。

渡仏2週目の覚書

渡仏2週目は、家探し、これに尽きた。

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フランスでも日本と同じく家探しはオンラインが主戦場。探す側は物件掲載サイトをチェックして、興味のある物件を見つけたら問い合わせていく。ただ日本と違うのは、不動産業者経由の家の貸し借りは全体の3/1程度(体感)。そして不動産業者間でも物件の共有はしていない。従って、オンラインで気になる物件があったら一件ずつ大家またはその物件を管理している不動産会社に問い合わせていくことになる。

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渡仏1週目に目をつけて、渡仏2週目に見学予約を入れていた物件は、見学当日の朝に大家の都合で1週間後ろ倒しになるとの連絡。これは借りられる可能性が極めて低そうだと思い、渡仏2週目は、改めてオンラインで検索→気になった物件に問い合わせのメッセージか電話をする、を繰り返すことに。月、火と問い合わせを繰り返し、返事がなかったり、見学自体を断られることも経験しながら何とか水曜に3件の物件見学まで漕ぎ着ける。そして幸運にもそのうち1件から水曜夜中に賃貸OKの連絡をもらい、木曜に賃貸契約にサイン、土曜に鍵の受け渡し&入居。

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アパートからの眺め。

8月の最終週ともなると街からは観光客が減り、大きな荷物をもった学生が増えてくる。学期の始まりも近い。

渡仏1週目の覚書

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渡仏一日目 羽田から乗継やバスを経て10時ごろAix en Provenceに到着。12時のチェックインまで時間があるのでSIMを購入するも、端末をSIMフリーにしていなかったので使えない。薬局で抗原検査を受けて衛生パスポートを入手。パスを提示してカフェで12時を待ち、AirBnBで借りたアパートに入る。到着日から3日間は最高気温38℃とのことで時差ぼけ解消も兼ねてアパートからあまり出ないでおこうと思う。そうは言っても食べ物など必要なので街中のMonoprixでサラダ、ハム、ロゼワインなどを買っておく。

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渡仏二日目 4時ごろ目が覚める。8時まで待って街の散策。9月から通う学校を見に行く。日中は相変わらず猛烈な日差しなので残ったロゼワインを飲んだりしてアパートから出ず。日本の携帯会社に電話してSIMフリーの手続きをする。海外から国内に無料で通話できる楽天モバイルが大変役に立つ。解約しないで持ってきてよかった。

渡仏三日目 まだ睡眠のリズムが落ち着かない。夕方、フランス人の友人が来てくれる。翌日からのアパート探しを手伝ってくれるので、その前にめぼしい物件をリストにしていく。

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渡仏四日目 目星をつけておいた物件の問い合わせをする。とても条件の良い物件があり連絡して見学のアポ取りまでするが、最後の段階になってお金を振り込まないと見学はできないと言われ、その他諸々から詐欺と判断。徒労感だけが残る。

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渡仏五日目 通りを挟んで向こうのアパートに、毎朝7時半に顔を見せる猫がいる。午前中、iPhoneと古いiPadしか持ってきておらず色々と不便だったのでMacbookを購入。学生なら割引とAirpodプレゼントの特典があるとのことで、ありがたく学割を使わせてもらう。早速立ち上げる。iPhoneと同期されて便利。家探しもはかどる。家を借りるのに必要な書類を埋める。午後は、日本にいる間にフランス人の友人に予約してもらっていたワクチン1回目接種へ。パスポートの提示のみで接種を受けられてありがたい。

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渡仏六日目 ワクチン接種の副反応で腕の痛みと倦怠感。候補物件をいくつか当たるもなかなかスムーズに進まない。最初の物件見学アポは翌週に持ち越し。フランスでは物件情報が集約されていないため、不動産業者によって持っている物件が異なる。さらに個人間での貸し借りも多い。つまり、物件ひとつずつ、返事があるとも限らないが問い合わせていく事になる。結構なストレスだけど気長にやっていくしかないと諦め。

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渡仏七日目 友人が帰る。週明けの物件見学は一人で行かないといけない。まあ何とかなるだろう、と楽観的でいるよう努力する。ワクチン接種の副反応は少しの腕の痛みを残すのみ。

富久心 純米吟醸

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今年5本目の富久心。普段は22時頃までやっている近所の酒屋さんも緊急事態宣言中は20時くらいには閉店していた。早めに仕事が終わった日に急いで行って滑り込みで富久心。ホヤといっしょに。

ホヤはスーパーで時々見かける。好きなのは私ひとりだけど見かけたら買う。独特の旨味と磯の香りがとてもよく合う。

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雨上がりに隅田川沿いを散歩。

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鮮やかになった花壇。いつ誰が手入れしてくれているのか分からない。

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死んだ魚とクラゲがたくさんながれていた。海から逆流したのか?

 

ハードボイルドハイボール

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6月20日(日)起床、朝からパイを焼く。といっても冷凍庫に眠っていたパイシートを解凍して、コーンマヨネーズのっけたりウィンナー巻いたりして200度のオーブンで25分。お手軽。

その後はお引越しに向けて荷造りしたり、銀座まで散歩したり。ゆっくりお昼は八重洲地下街のエリックサウス で。

 

最近は引越しを前に近所のおいしいもの食べ尽くし。

f:id:mukago3:20210620225932j:image富士屋本店の牡蠣フライ。大ぶり牡蠣のサクッとフライにたっぷりタルタルソース、ピリッとした付け合わせが大好きで何回も食べた。

 

f:id:mukago3:20210620225747j:imageしばらくの博多ラーメン。小さめサイズでおやつみたいに食べちゃう

 

f:id:mukago3:20210620225727j:image澤の塩ラーメン。ポタージュみたいなスープが美味しい。


f:id:mukago3:20210620225805j:imageたいめいけん、オムライスは撮り忘れてコールスローボルシチ。一度は行きたかったので満足。


f:id:mukago3:20210620225819j:imageやまらぁの冷やし坦々麺。クリーミーなスープにピリ辛肉味噌が美味しい。


f:id:mukago3:20210620225831j:image金子半之助の天丼。行列にめげずに並んでみた。満腹満足。


f:id:mukago3:20210620225838j:image西北拉麺の夏の冷麺。コシのある細麺、甘酸っぱいスープに具沢山でパクチーが異国情緒。何度でも食べたい。

【フランス大学院留学】パリ政治学院の入学延期申請(defferal request)について

パリ政治学院の1年間の公共政策修士MPA)に合格したけれど、入学延期を申請することにしたので、その記録です。

 

入学延期とは?

英米の大学・大学院では、合格したものの何らかの事情で入学を遅らせたいときに、1学期間または1年間その合格を有効とするよう申請することで入学を延期する、という仕組みが一般的に存在するらしい。例えば、2021年の秋学期からの枠で合格した場合に、2022年の春又は秋学期に入学を延期する、といったもの。

入学延期の申請は無条件に許可されるものではないので、学校側を納得させる理由が必要になる。インターンシップをするから、仕事で重要なプロジェクトにアサインされたから、奨学金が獲得できなかったから 等。

学部留学ならばある程度ふわっとした理由でも許可されるかもしれないけれど、この記事(How to Request an Admissions Deferral)を読むと、大学院の場合は、延長期間後に確実に入学する意思や根拠を示すことが必要だと思われる。

 

パリ政治学院の場合

パリ政治学院のQ&A(Defer my enrolment Master's programme)には、Dual degree以外の修士課程は入学延期申請が可能、と書いてある。ただし、申請は無条件で許可されるわけではない、とのこと。

 

パリ政治学院:どうやって申請するの?タイムスケジュールは?

パリ政治学院修士に合格すると、合格者用プラットフォームのリンク、ID、パスワードが送られてくる。そして、プラットフォームにログインし、10日以内に合格を受け入れるかどうか回答するように、というメッセージが添えられている。

合格者用プラットフォームにログインすると、3つの選択肢

1.合格を受け入れる

2.合格を受け入れて入学延期を申請する

3.合格を受け入れない

が示されるので、ここで入学延期を選択し、申請理由を記載して提出する。

タイムスパンについて、私の場合は以下のように進んだ。

2020年12月 出願書類を提出

2021年 2月 conditional offer(英語要件を満たせば合格)受領。

     5月28日 英語の試験結果を提出

     6月  2日 合格通知受領。受け入れor拒否の提出期限は6月12日

     6月  4日 defferal request提出

     6月16日 defferal requestが受け入れられたとの回答を受領

 

入学延期の理由は何を書くべき?

パリ政治学院の場合、入学延期の理由は、オンラインフォームに入力する形で、特に文字数制限もなかった。ただ、入力に手間取っていると画面の有効期限が切れて提出できなくなってしまう。いったん書いたものが消えてしまうのは悲しいし、メモ帳などに書いてからのコピペが吉。

理由は以下のように書いた。

・派遣元から、2年間の留学期間が認められていること。ただし2年目は1年目よりも発展させた学習内容であることが求められていること。

パリ政治学院MPAでは選択授業が豊富で専門的な内容を学ぶことができるが、もう一つの志望校は、フランス語で授業が行われるため、パリ政治学院と比較すると、政治経済の一般的な内容になる。

 ・したがってパリ政治学院での学びをより有意義にするために、入学を1年間遅らせて、2年目の留学としたい。

・なお、学費については2年間の保証がある。

・質問や追加で提供できる事項があればご連絡いただきたい。

 

フランス政府もパリ政治学院も、2021年度の留学や学習に対するCOVID-19の影響はほとんどなくなっていることを強調する流れにあるので、それを理由にはしないで、

・留学全体の計画からして1年延期したい→1年後には入学する意志があること

・財政的な補償があること

を示すにとどめた。

 

パリ政治学院:入学延期後の手続き

パリ政治学院の1年間の修士の学費は、他のフランスの大学院と比べて高額(22,000€ 300万円弱)なので、デポジットを求められたらどうしよう、、などと少し心配したが、入学延期申請が受け入れられたあとの手続きは特になにもなかった。

入学延期受け入れのメールには次の内容が記されていた。

・2021-2022年について入学延期申請を受け付けたので、2021年の入学は認められない

・入学延期が有効なのは1年間のみ

・2022-2023年の入学について、2022年の春に再度学校から連絡をする

 

きちんとした留学計画があり、それに沿ってすべてがスムーズに進めばいいけれど、いつ何が起こるかはわからない。

それに、この入学延期のシステムがあるのだから、「まずは合格目指して頑張る」「いつ留学するか、どこに行くかはあとで考える」も十分あり。少しでも留学してみたいと思ったら出願してみるのがおすすめです。