むかご日記

@霞ヶ関。2021年-2023年フランス留学(エクス・アン・プロヴァンス政治学院→パリ政治学院)

【中編-3】フランス大学院留学 留学先を選ぶ ~Science Po Strasbourg~

国家公務員が留学先を選ぶためにフランス大学院について調べるシリーズ、その3はScience Po Strasbourg。

 

(公務員に)根強い人気のScience Po Strasbourg。ここ10年、フランス留学先として1/4強の公務員留学生が選んでいる。フランスに留学したいというとき、EUまたは国連関係に関心がある場合が多い。そのため、欧州議会本部をはじめとした国際機関の所在地であり、EU研究で有名なScience Po Strasbourgに人気が集まるのだろう。

また、1年目にフランス大学院→2年目にENAのコースをたどるケースでは、1年目はほとんどがScience Po Strasbourgに通っていることも特筆すべき事項。

 

個人的にはストラスブールといえばストラスブールの誓約」ラテン語が徐々に各地の方言として口語化して生まれた古フランス語が、初めて文書として残されたのがストラスブールの誓約(それまでは文書はラテン語でかくもので、口語が書き残されるということはなかった)。当時の西フランク国王(フランス)と東フランク国王(ドイツ)が協力することをお互いの言葉で誓った文書で、つまりドイツ側は古フランス語で、フランス側は古ドイツ語(というのか?)で誓いを記して相手国の兵士の前で誓ったと言われている。

 

このエピソードからも推察できるように、ストラスブールはドイツに隣接しており、古くから交易地として発達してきた街。フランス第8の人口数でありながら、同規模のボルドーなどと比べて住居費が低く抑えられ、治安もよく住みやすい。

 

★Science Po Strasbourg

【留学生向けコース】

 留学生向けのHPをみるとわかるように、交換留学生向けコースと、交換留学生でもそれ以外の枠組みの者でも受け入れるCES(Certificate of European Studies)コースがある。

交換留学生向けコース:ERASUMSを利用しての留学生か、受け入れ協定を結んでいる大学からの留学生向け。

CESコース:フランス語初心者のための英語(B2以上)コース。

 

【M2への編入

冒頭で述べたような、2年目にENAへの留学を視野に入れている人は、上記の留学生向けコースではなく、M2への編入生として留学している。出願するM2コースと同分野を大学の学部で履修済みであれば、M1を終了していると認められる模様。ただ、出願はCampus France経由でと明記されているが、2020年9月末現在、Campus FranceでScience Po Strasbourgの修士は2年間のコース(M1に編入)しか見当たらず、1年コースへの応募の仕方がわかりません… また、編入にあたっての言語要件などが明記されているページも見当たらないため、一度大学事務局に問い合わせるのがよさそう。

 

結論

EU法などに関心があり、大学や職場で学んだことをさらに深めたいと思っており、語学力にも自信があるならぴったり。2年目のENA出願にむけて最適な環境で勉強できそう。