渡仏12週目の覚書 万聖節、テストと立冬
渡仏12週目 11月1日〜7日
11月1日はLa Toussaint万聖節で祝日。小中高ならこの前後で2週間のバカンスだけど、エクス・アン・プロバンス政治学院では祝日当日がお休みになるだけでバカンスはなし。家でのんびりしていたら火曜のフランス語の先生から授業お休みの連絡。"Mon papa est mort hier."お父さんが亡くなったとのこと。最近読み返したカミュの異邦人の冒頭を思い出した。"Aujourd'hui, maman est morte."
11月に入ってまた一段と寒くなり、学校は石造りの古い建物なので、図書館も寒くて長居できなくなってきた。暖かい格好をしていても手がかじかんで本をめくったりタイプするのがつらい。
火曜日、天気予報で週末の最低気温が0℃前後とのことで、冬支度。まずは家の中用にもこもこスリッパを。シンプルなデザインで動物性の素材(LLBeanが理想)と思って探したけど見つからず一冬だけと割り切って可愛らしいこちらをチェーンのインテリアショップBoucharaで購入。
次に日本から持ってきたAKIRA NAKAのフェイクレザーコートこれはtrip online shopの着用画像。合皮なので濡れても大丈夫で重宝していたけれど、少し丈が長すぎるのでお直しに。3.5cm切るか5cm切るか悩んでとりあえず3.5cmだけ。中にウールやカシミアのセーターを着込めば、しばらくは大丈夫でしょう。
金曜日、フランス20世紀史のテスト。2時間の筆記。辞書持ち込み可。いくつかの質問+dissertation(小論文)。全然時間を有効に使えず、浅い内容で繰り返しの多い文章を書き殴って落ち込む。
街では仮装したブラスバンドが演奏していた。
ん?と思って見てみると
お祭りの法被。
冬の風物詩、焼き栗の屋台。
夜、気づくと外がきらきらしている。窓のすぐ横に冬のイルミネーションがあった。
読書はテスト勉強などあり1週間抜けてしまったが、SHIMAZAKI AKIのTONBO。この方の作品は本屋さんでいつもおすすめコーナーに置いてあり、日本人の名前で日本の風物が題名で気になっていた。少し調べてみたら、日本で生まれ若い頃に単身カナダへ渡り、40歳でフランス語を勉強し始め、アゴタ・クリストフ(ハンガリーからスイスに亡命してきて、やはり後天的に学習したフランス語で文章を書いた)に衝撃を受けてフランス語で小説を書き始めたとの来歴。
日本を出たいという気持ちに従って海外で生活を始めるとは尊敬するし、アゴタ・クリストフに衝撃を受けたというのに共感して、読み始め。日本を舞台にしていることもあり、とても読みやすく、かつ読み応えのある内容で、クリスマス休暇にでも他の作品も読破したくなった。